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病気について

清涼飲料水ケトーシスをご存知ですか?

文責 山田 研太郎

清涼飲料水ケトーシスとは

 インスリン分泌がほとんどない1型糖尿病の患者さんは,インスリンを注射しないと血糖が上昇しケトアシドーシスを起こします。脱水と意識障害を伴う危険な病態です。2型糖尿病ではある程度インスリンが分泌されているので,普通はケトアシドーシスは起こりません。

 ところが最近,ケトアシドーシスを起こして緊急入院になる2型糖尿病患者さんが少なくありません。なぜそのような例が増えてきたのでしょうか?

 ケトアシドーシスを起こした2型糖尿病患者さんに共通しているのは,肥満していることと,清涼飲料水を大量に飲んでいたことです。糖尿病になると尿量が増えのどが渇きます。そのとき,糖尿病に気づかず清涼飲料水を飲むと,さらに血糖が上昇しのどの渇きが強まるという悪循環に陥ります。

 極端な高血糖になると,かえって膵臓からインスリンが出にくくなります。すると,さらに血糖が上昇し,脂肪の分解が起こって,ケトアシドーシスになってしまうわけです。血糖値が1,000mg/dlを超え,昏睡状態になることもあります。

 肥満した2型糖尿病患者さんがケトアシドーシスを起こすという,奇妙な病態があることは,以前から報告されていましたが,私たちはそれが清涼飲料水の多飲によることを突き止め,「清涼飲料水ケトーシス」と名づけました。清涼飲料水ケトーシスは,10代から30代の肥満した男性に多く見られます。

日本人に多い病態のようで,欧米の白人にはほとんど見られません。

 体質の違いもあるでしょうが,清涼飲料水を飲みすぎる日本人の生活習慣にも原因があると考えられます。

清涼飲料水の糖質の量

コーラやジュース類の多くは約10%の糖を含んでいます。缶コーヒーの砂糖の量は8~10%が普通です。清涼飲料水ケトーシスを起こした人は,糖を含む清涼飲料水を1日に平均2,200ml飲んでいました。200g以上の糖を摂っていたことになります。

久留米市の小中学生の食生活調査

 清涼飲料水ケトーシスが若い人に多いのは,小中学生の時期の食生活に問題があるのではないでしょうか?

 そこで,久留米市教育委員会の協力を得て,小学4-6年生と中学1,3年生を対象に食事と間食に関する調査を行いました。

 合計1,253名のデータを集計した結果,糖を含む清涼飲料水の量は学年が上がるほど増え,特に男子が多く飲んでることが分かりました。男子中学生では1週間当たり平均約1,000mlですが,中には5,000ml以上飲んでる人もいました。また,朝食を食べない生徒や,夕食時間が遅い生徒が清涼飲料水を多く飲む傾向がありました。

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